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私の留学生活も5月で終わりを迎えます。留学生活が始まった当初は、じっくりフランス語に打ち込めるという気持ちでしたが、振り返るとあっという間でした。レポートも今回で最後ということなので、簡単に振り返ってみたいと思います。
まず、語学学校についてです。一番印象に残っていることは様々な種類の選択授業があったということです。もちろん、レベルによって選択数や内容は変わってきますが、フランス語を勉強するうえであきさせない工夫がたくさんあったと思います。特にプロヴァンスに関する授業やセザンヌなどに関する美術の授業が多かったのも、エクスならではだと思いました。また、図書館にはたくさんの参考書が備えられていたので、わからない文法や補いたい部分を自分のペースで行うことができました。私は2期続けて受講していましたが、先生たちも生徒の要望に沿うような授業を展開してくれました。2期目のクラスでは学校が終わってしまった後でも、先生も含めハイキングに行ったりマルセイユまで足を運んだりしています。ほぼ満足できましたが、残念な部分もありました。一番、残念だったのはクラスにおける国籍の比率についてです。例えば、2期目のクラスは母国語が中国語という生徒が半分以上を占めていたため、クラスで中国語が飛び交うことが日常茶飯事でした。最初はフランス語で話していても、途中から中国語で話し始めるということもあり、話についていけないことも多かったです。さらに、今年度は大学再編により、仮校舎での授業であったため現地の大学生と関わることはほとんどできませんでした。また、学部がある本部と距離もあり、大学施設(学食やジムなど)をほとんど利用しませんでした。
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次に、住居についてです。私は貸部屋を利用しており、フランス家庭の一室を借りて共同で生活するというものでした。到着すればすぐに、何もかも揃っていることやわからないことや困ったことがあれば、すぐに聞くことができるということなどが最大の利点であると思います。また、私が借りている家庭では近所の交流も積極的であり、旅行者などにも部屋を貸していたりしたので一人暮らしでは経験することができない体験をさせてもらうことができました。特にフランス式のクリスマスを体験できたことはとても嬉しかったです。ただ、同じスタイルで留学していた日本人の友人は「合わなかった」と言っていました。最低限、その家族に合わせて生活リズムを作らなければならないことや日本人特有の遠慮してしまうということなどが原因になったのかもしれません。ここが貸部屋のネックになってしまう部分だと考えます。しかし、私は毎日、快適に生活することができ、大変感謝しています。
最後にエクスという街についてです。エクスは小さい街ながらも、シーズンになれば多くの観光客が訪れ、活気づく街です。また、パリなどに比べ太陽が降り注ぐ地域でもあり、南仏を代表するような野菜や果物がたくさんあり、非常に魅力的な街でもあります。日本と同じくらい安全で、ある程度の時間なら夜も一人で歩くことができるくらいです。フランス第二の都市、マルセイユとの交通の便も非常に良く、飽きることのない街でした。エクスの大学には日本語学科があるので、他の街と比べ日本語を勉強している学生と知り合うことが容易だと思います。知っている現地の大学生の多くは日本語学科の生徒ですし、留学生活の後半からは日本語の授業がある高校でもアシスタントとしてお手伝いさせてもらっていました。
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この9ヶ月間の間で、ほんとうに様々な経験を積むことができました。もちろん、楽しいことばかりではなく、悔しい思いもたくさんありました。周りがどんどんとフランス語が上達していくのをみていると焦ってしまうこともありました。しかし、上達させるには環境や周りのサポート以上に強い志が大切だと感じました。そして、新たに新しい目標もできました。まずは大学卒業までにDALF C1を取得するということです。これは、留学を決意した理由の一つである「仏大学院で西アフリカについて勉強したい」という目標の足がかりになります。そして、フランス語を勉強したいという人たちをサポートしたいということです。近年、日本では英語教育がさらに加熱していますが、フランス語は英語に続いて2番目に多くの国地域で話されている言語です。このことからわかるように、まだまだフランス語は重要な位置にあります。もっともっと多くの日本人にフランス語を勉強してもらいたいです。また、サポートするだけでなく、フランスと日本の交流を盛んにさせる一員に少しでもなりたいと思います。最後に、ここまでサポートしてくれた家族や友人、そして日仏文化協会に感謝します。
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